牽制攻撃

 

 

「ねぇねぇ、そんだけカワイイんだからモデルのスカウトされたコトとかないの?」

「こんな若いうちから自分の店持ってやってるなんてすごいよ。料理もメチャ美味いしさ。俺毎日通っちゃおうかな~」

「ねぇ、今度マジで一緒に遊びに行こうよ。お店の定休日って何曜?」

セブンスヘブンのカウンターに陣取った若者二人。
この新来者達、始めはテーブル席に座っていたが、ティファにちょっかいを出すためわざわざカウンター席へ移動してきていた。
よりによって、ティファの用心棒が座る席からわずか二つ離れた席に。
その用心棒はというと、傍から見ると特に気にする様子もなく、グラスを傾けつつ明日の配達ルートを地図で確認していた。

「ティファちゃんて意外とゴツいアクセサリー好きなんだ?その指輪見せてよ」

一人が手を伸ばしティファに触れようとした。
クラウドはチラリと視線を向けた。

「ごめんなさい、お料理運ぶので」

慣れた様子で笑って受け流すティファ。
二人は、料理を手にカウンターから出て行くティファの後姿を舐めるように見ていた。

「めっちゃくちゃカワイイな・・・ティファちゃん」

「お前、彼女いんだろ。手ぇ出すなよ」

「なにお前。本気で狙ってんの?」

「だってあんな可愛い子めったにいないぞ。それに見ろよあのスタイル・・・」

「あーーヤバいよな。俺もティファちゃんが付き合ってくれんなら別れてもいいかも」

「やっぱ彼氏いんのかなぁ」

「この際いても関係ねぇよ、奪っちゃえばいいんだし。とりあえず遊ぶ約束取り付けようぜ」

彼女の男がすぐ横で聞いているとは露知らず、好き勝手言う男達。
クラウドはまだ静かにグラスを傾けていた。

「ねぇ、次の休みいつ?こいつ車買ったばかりなんだ。一緒にどこか行こうよ」

カウンターに戻ってきたティファに男が早速声をかけると、クラウドが立ち上がった。
クラウドがカウンターの中へ入りティファに歩み寄るのを、男達はキョトンとした様子で見ていた。
クラウドは空になったグラスを渡しつつ、男達に見せつけるようにティファに頬を寄せた。

「ごちそうさま。先に風呂に入ってくる。ティファも早めに店閉めて上がってこい。待ってる」

「・・・・・・!」

ティファも含め、固まる三名。

「何かあったら、すぐに呼んでくれ」

そう言って涼しい瞳で男達に一瞥をくれると、背を向けて階段へと向かった。

「う、うん・・・」

消え入りそうな小さい声で返事をするティファと、その真っ赤になる頬を見て若者二人は思い知った。
色んなことを。

こうしてクラウドは、ティファに群がる本日の害虫二匹を追い払うのに成功したのだった。

 

 

 

 

FIN

 

とってもありがちな展開ですいません(笑)
余裕のクラウド。あんな美形で腕ムキムキの人にこんなの見せつけられたら諦めるしかないでしょうね。
ティファもクラウドが虫除けのためにわざとやってるのわかって、恥かしいながらも嬉しいのです。う~ふ~ふ~

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