目を盗んで

 

 

 

家族4人、リビングでのんびり過ごす休日の昼下がり。
デンゼルはソファに寝転んでテレビ。
マリンはダイニングテーブルでお絵描き。
わたしはキッチンでコーヒーを淹れていた。

「クラウド、お砂糖とミルクは入れる?」

クラウドは気分によってブラックで飲んだりそうでなかったり。
だから毎回聞くことにしている。

「ああ、入れようかな」

言いながらわたしの横にやってくる。
手伝いなんて、いいのに。
・・・って思ったけど、クラウドは隣に立ってわたしの手元を見てるだけ。
お砂糖とミルクを入れて、軽くかき混ぜてから渡す。

「はい」

「ありがとう」

受け取ると、そのまま数秒わたしを見つめる。

「?」

ふいに、クラウドはデンゼルとマリンに目をやる。
何かを確認するようなその仕草に、ピンとくる。
わたしに目を戻すと、もう一度さっと二人の姿を確認してから、素早く唇を重ねてきた。

「・・・っ」

一瞬だけ押し付けられた唇はあっと言う間に離れた。
予想していたから小さな声も出さずに済んで、よかったけど。
何食わぬ顔でコーヒーを手に去っていくクラウド。
自分のコーヒーにもお砂糖とミルクを入れながら、ニヤけちゃう唇をなんとか引き締めた。
今日だけで、もう3回目。

 

 

 

 

FIN

 

子供達に気づかれまいとするスリルを楽しんでいるわけではなく、クラウドはただティファにチュッチュチュッチュ、したいんです。
あんな二人だけどこんな時期も来るんだろうなムフ。

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