前回アップした小説の最後に記載しましたが、AC発売前の、サイトすら持ってない頃に書いて
クラティ交流サイト様で仲良くなった友達にプレゼントした小説です。
もう7年くらい前ですかね。
その子のサイトに載せてもらっていたので、読んだことがある方もいるかも。
クラウドは「何でも屋」だったので、設定は今のAC仕様のデリバリーに手直ししました。
最初に言っておきますが媚薬モノです。でもエロスでなくギャグです。
クラウドがかなり(頭が)おかしいので、平気な方のみどーぞ!




悪魔のAphrodisiac

クラウドは迷っていた。

「・・・・・・どうしようか」

先程からベッドに腰掛け、サイドボードの引出しにチラチラと視線を送っている。
落ち着かなげに腕を組んだりほどいたりを繰り返す。
そしてひとしきり考え込んだかと思うと、思い切ったように腕を伸ばし引出しを開いた。
中には、白い紙に包まれた少量のピンク色の粉。
クラウドはそれを見つめると、ひとつ大きく深呼吸をした。

――あれは数日前。
クラウドが配達の依頼を受けた先は、エッジの繁華街の裏に位置する風俗店“蜜蜂の館”だった。
以前ウォールマーケットにあった風俗店の再現で、店の中では懐かしのミツバチコスチュームを着た美女が働いている。
ひどく高額なため、金を支払わずに逃げようとする客や、なんだかんだいちゃもんをつけて値切ろうとし
しまいには暴れ出すという迷惑な客が後を絶たない。
そこで、“例の騒ぎ”で腕っぷしが評判になったクラウドに、配達ついでに用心棒の依頼が舞い込んだというわけだ。
もちろん最初は断ったクラウドだったが、困り果てた支配人の必死な懇願に、しぶしぶ了承したのだった。
ほんの数日、指定の数時間待機するだけ。そしてさすが裏業界、報酬がかなり良かったのも決め手となった。

「風俗店の用心棒?」

話を聞いて、ティファはおもいきり眉をひそめた。
あたりまえである。
しかし、クレーマーが出現しやすい時間帯に数時間待機しているだけと聞いて、しぶしぶ了解を出した。

「わかったわ。気をつけてね。でも・・・・・・綺麗なお姉さんに誘惑されちゃダメよ」

ティファという女性がありながら、風俗嬢の誘いなど受けるわけがない。

「あたりまえだろ」

笑ってそう答えたクラウドだったが――誘惑は別のところにあったのだ。

 

仕事を終えて報酬を受け取り、帰ろうと店の事務所から出た時だった。
支配人がクラウドに手招きをした。

「なんだ」

クラウドが歩み寄ると、その男は声をひそめた。

「君、彼女はいる?」
「・・・・・・・・・・・・いる。それが何だ?」

あからさまに不審な目で見るクラウドを気にすることなく、支配人は更に聞いた。

「彼女との夜の生活は順調?」

クラウドは言葉を失い、まじまじと相手の顔を見た。
一体全体、何故そんなことを赤の他人に聞かれなきゃならないのか。
クラウドは軽蔑の眼差しを向けると、背を向けた。

「まぁ待ちなさい、いいモノがあるんだ。うちの商売の一環なんだけどね、お礼に安く売ってあげるよ」
「悪いが、興味がないんでね」

クラウドが冷たく言って去ろうとすると、男はニヤリと笑った。

「へえ?若いのに、よくないなぁ。催淫薬・・・って言ってもまだ興味ないかな?」

悲しいかな男のサガ、おもわずクラウドは足を止めた。
それを見て男は満足そうに笑った。

「はっはっは、そうだろ、君まだ若いんだから。ホラ、これだよ」

男はポケットから白い包み紙を取り出した。
クラウドは、警戒しながらも好奇心に負けて近づく小動物のように、おそるおそる男の手の中のものを見た。
白い紙の中に、ピンク色をした粉末が入っているのがうっすら見えた。

「強力だからね、これで3、4回分だ。味はないから彼女にこっそり盛れるよ」
「盛・・・それは・・・・・・・・・ちょっと考えさせてくれ・・・」

クラウドは真剣に考え込んだ。

(こんな怪しい男からこんなシロモノを買って、それをティファに飲ませる?そんなことしていいのか、俺・・・・・・)

「なんだい、良心がとがめるかい?」

男の問いに答えもせず、クラウドは考える。

(だいたい、ティファに不満なんてないんだ。それなのに、こんなもの飲ませるなんて。でも・・・見てみたい。
一体、これでティファがどんな風になるんだ・・・!?でも、第一これ本当に効果あるのか?騙されてるんじゃないのか?)

無言で考え込むクラウドに、男は面倒くさそうな目を向けた。

「・・・・・・君も優柔不断だね。じゃあ、やめとくかい?別に無理に買えとは言わないよ」

男がポケットに包みをしまおうとすると、クラウドは慌ててその手を掴んだ。

「ま、待て。もう少し考えさせてくれ・・・」
「・・・ふむ、じゃあね、想像してごらん。彼女がすごくいやらしくなって発情してる姿」
「は、発情・・・・・・?」
「そう。あるいは、いつもよりも君のことを激しく求める姿だ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」

クラウドの脳裏に、こんなティファの姿が浮かんだ。

―― 頬を真っ赤に染め、しっとり汗ばみ、甘い声で叫ぶ。
   「クラウド・・・もっと・・・・・・もっと!!」 ――

とたん、目の前に鮮血が迸り、クラウドは後ろざまに倒れた。

「ぉおいっ!君っ!!」
男が慌てて駆け寄った。
助けの手を振り払ってクラウドはすぐさま起き上がったが、鼻血は止まらない。
男が心配そうに顔を覗き込んだ。

「大丈夫かい・・・」
「大丈夫だ。それより・・・それ、買うよ」
「想像で鼻血出す君が、平気かね」
「平気だ。いくらだ?」

――こうして2000ギルで買ってしまった、数回分の催淫薬。
しかしいざ使うとなると、こっそり盛ることは避けたいがティファに薬のことを切り出す勇気がない。
最悪の場合、買ったことだけでも軽蔑して口をきいてくれなくなるかもしれない。

クラウドは迷った。

「・・・・・・どうしようか」

とりあえず、なんとなく味見だけでもとクラウドがチロリと粉を舐めた、その時―。

ガチャリ。

ドアノブの回される音とともに、ティファが顔を出した。

「クラウド?さっきから寝室にこもって何してるの?」

クラウドは飛び上がると同時に、とっさに粉を包みごと口の中に隠した。

「・・・・・・・・・・・・!!!」

自分のしたことに驚愕していると、ティファが不審気な顔で近づいてきた。

「んん?今何か隠したわね?見せなさい!」

無理矢理口を開けさせようとするティファに抵抗しているうちに、粉が少々気管に入ってしまった。

「んぐっ!ご、ごほっ!!」

必死に口を手で押さえるが、粉が少し宙を舞った。
それを見たティファが慌てて言った。

「あ、お薬飲んでたの!?ごめんね、待ってて」

ティファが驚くほどの素早さで水の入ったグラスを持ってきた。

「はい、これで飲んで」

クラウドはグラスを受け取った。

「水も用意しないで粉薬飲もうなんて、咽るにきまってるじゃない。具合悪いの?」

ティファが心配そうに見守っている。
今更吐き出したら不自然極まりない。

・・・・・・・・・・・・飲むしかない。

クラウドはゆっくりと口から包み紙を引っ張り出すと、もうやけくその思いで水を飲んだ。
そして、それと一緒に喉を流れていったのは、3、4回分の強力な催淫薬・・・・・・。

(・・・・・・死んだらどうしよう・・・・・・)

クラウドは真っ青になって震えた。

(一体、どうなって死ぬんだ!?か、考えたくない・・・・・・!!!)

様子のおかしいクラウドにティファが首を傾げた。

「大丈夫?クラウド。ごめんね、ひどいことしちゃった。風邪薬?」
「・・・・・・ああ。ただのビタミン剤かなにかだ・・・・・・」

放心状態のままクラウドが答えた。

「・・・・・・?クラウド、顔色悪いよ」
「・・・・・・ああ、大丈夫」
「ごはん、そろそろできるけど食べられる?」
「・・・・・・ああ・・・・・・」

 

 

おいしい夕飯を食べ終えた頃、薬が効いてきた。

「・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」

クラウドは荒い息づかいで、ティファの後姿をくいいるように見ていた。
軽やかな動きで食器を片付けるティファのお尻に飛びつきたい衝動を必死に抑えていた。

(ああ、やばい・・・・・・・・・・・・ああやばい・・・・・・)

指先がチリチリする。口の中はカラカラだ。目の奥が熱いんだ!ティファの体がいつも以上にプリンプリンに見える!

(あぁなんて君の体は柔らかそうなんだ。反則だ・・・はあ、はあ・・・)

クラウドはティファの体に、舐めるような視線を這わせた。
皿をこするたびにかすかに揺れる胸、細い腰から流れるようなラインで下に続く形のいいふたつの愛らしい山・・・。

バン!!

クラウドは勢い良くテーブルに突っ伏した。
ティファを見ているだけで鼻血が出そうだった。

(ああ・・・だめだ・・・!このままじゃ・・・・・・・・・)
「クラウド、大丈夫?さっきから息が荒いけど・・・苦しいの?」

クラウドが勢い良く顔を上げると、すぐ横にティファがいてエプロンで手を拭きながら顔を覗き込んでいた。

「きゃ、クラウド、顔真っ赤よ!!熱は!?」

自分の額とクラウドの額に手を当て、ティファが考え込む。

「うーーん・・・少しだけ熱いかも。やっぱり風邪ね」
「・・・いや、たぶん、違うんだ」

クラウドにとっては額に当てられたティファの手のひらの感触さえ官能的で、ますます鼻息を荒くした。

「じゃあ、なあに?」
「・・・じょ、情熱の、炎の熱かな・・・・・・??」

目が回っているようで、思考がうまく働かない。クラウドは目を瞬いた。
意味不明なことを言うクラウドをティファは注意深く観察した。
熱にうかされているように上気した顔で目が潤んでいる。
目の焦点もどことなく定まらない感じだ。息も荒く、苦しそうだった。

「やっぱり、風邪ね。今から病院行こうか。そんな高熱じゃないのに、すごく具合悪そうよ・・・」

心配そうな顔のティファをじっと見つめると、クラウドは体が勝手に動くにまかせてティファを抱き寄せた。

「クラウド、大丈夫なの・・・?」

クラウドはティファの柔らかい胸の間に顔を埋めた。
相手が病人だと思っているからか、ティファは抵抗することなく受け入ててくれた。

「苦しいの?」

ティファが心配そうに、優しく聞く。

「ああ、苦しい・・・ものすごく」

頬でティファの胸の感触を堪能しながらクラウドが言った。

「治せるのは、たぶんティファだけなんだ・・・」
「え?どういうこと?」

クラウドが手をティファのヒップに伸ばそうとしたとき、ティファの携帯電話が鳴った。

「あ、ちょっと待ってね」

ティファはクラウドからヒラリと離れて携帯をとった。
チッと舌打ちし、顔が火照っているのを感じながらクラウドはぼんやりする頭でこの後の展開を考え始めた。

(電話が終わったら、すぐにティファをベットに連れていこう。シャワーを浴びたいといったら一緒に入って風呂場で一回、
そのあとベットで、もうもう、朝まで何度も何度も・・・・・・)

薬が最高潮に効いている頭で、クラウドは我知らず変態的な思考に飲み込まれていった。
クラウドの頭はティファの赤裸々な姿でいっぱいだった。

「ほんとに!?これから!?」

ティファの声が聞こえた。クラウドは妖艶な笑みを浮かべた。

「ああ、そうだよ。これから今日は朝まで何度も何度も・・・」

クラウドがブツブツ呟いていると、ティファがクラウドに呼びかけた。

「クラウド、今からみんながうちに来るって!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・???」

キョトンとして理解を示さないクラウドをみて、ティファが思い出したように再び電話にむかった。

「あ、そう、今クラウドが熱だしてるの。ボーっとして、結構辛そうなの・・・。だから今日は・・・・・・え?え、でも
・・・・・・だめよ、せっかくだけど・・・。うん、うん・・・。ええ!?ちょっと、無理だってば、バレット!あ、ちょっと待って!!」

ティファがなにやら慌てている。

(・・・それにしても、今バレットとかいったか?チッ、あいつ、はやく電話切れよな・・・)

「だって、それじゃかわいそうでしょ?わたしも看病するんだし・・・・・・ええ?死にはしないって・・・ちょっと、バレットねぇ・・・。
ん?あ、ユフィ?うん、そうなんだけど・・・だからユフィもバレットに言い聞かせ・・・て、ちょっと!?あ、あ、ちょっと待って、ユフィ!!・・・・・・・・・・・・ユフィ??・・・」

しばらく後、諦めたように携帯を置いたティファが申し訳無さそうに言った。

「クラウド、今からみんなが来るみたいなの・・・」
「・・・・・・え?来るって、ここにか?」
「うん。前からうちに遊びに来たがってたでしょ?なんかセブンスヘブンオープン2年7ヶ月記念とか言ってたわ」
「・・・ずいぶん無理矢理だな。とりあえず、断ろう」
「それが・・・もう近くに来てるみたい。クラウド熱だからって言ったんだけど、聞かなくて・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

状況を徐々に理解しはじめ、クラウドは少しずつ絶望を感じ始めた。

「・・・・・・とにかく、断ってくれ」
「うーん・・・。じゃあ、もう一回言ってみるわ」

ティファが再び携帯を取り上げるのを見ながら、クラウドは怒りが沸々と湧き上がるのを感じた。

(・・・あいつら・・・あいつら!!なんだってこんな時にこんな時間に邪魔しに来るんだ!?今日はティファと・・・)

クラウドは泣き出したかった。
きっと奴らは家にあがったら最後、酒をガブガブ飲んで真夜中まで騒いで、明日の朝どころか昼まで寝るに違いない。
そうなったら、そうなったらこの凄まじい欲求はどうしたらいいのか。

「クラウド・・・バレット達、電話に出ないわ」

困った様子で携帯を置き、ティファが近づいてきた。

「しょうがないから、クラウドはすぐ二階に行って・・・」

このままじゃティファを抱けない。クラウドは焦った。いや、むしろパニック寸前だ。

「せ、せめて・・・せめて一回だけでも・・・!!」
「え?」
「ティ、ティファ・・・!!」

クラウドはティファの両手を掴んで立ち上がった。

「な、なに、クラウド」

鬼気迫るクラウドに気押されし、ティファは一歩あとずさった。
その行動がクラウドを刺激したらしく、とたんクラウドはティファに飛び掛った。

「きゃ―――――!!!」
「あいつらが来る前に、俺!!」

二人で床に倒れ込む。
クラウドはすぐさまティファの服を剥ぎ取りにかかった。

「クラウド!?ちょ、ちょっと、なにっ!!?」

驚きに目を見開きながらも、ティファは必死に抵抗した。
脱がされないように自分の服を必死に押さえ、肘でクラウドを引き剥がそうとした。
しかしクラウドは猛獣のように鼻息荒く、尚もティファの服を脱がそうと必死だ。

「クラウド・・・やめてっ!!!怒るわよ!!!」

ティファも顔を真っ赤にしている。恥ずかしさからではなく、怒りで。

「ティ、ティファ・・・!!」

クラウドはもう無我夢中だった。
服が脱がせないとわかると、服の上からティファの体をまさぐった。

「ああ、ティファ!!!」

クラウドがティファに無理矢理キスしようとした、その時。

「やぁっ!!!」

掛け声と共に、ティファの見事なエルボーがクラウドの脇腹に吸い込まれた。

「ぐっ!」

短い呻き声を上げると、クラウドは悶絶して床に沈みこんだ。

「はあ、はあ、はあ・・・」

ティファが息を荒げながら立ち上がった。
乱れた服を整えながら、ティファは気絶しているクラウドを見つめた。

「一体、どうしちゃったのよクラウド・・・」

しばらく唖然としていたが、ティファははっと何か思いついたように顔をあげた。

「いけない!家の掃除しておかなきゃ」

ティファが台所に駆けて行った直後にクラウドがムクリと起き上がった。

「いて・・・」

脇腹を押さえて立ち上がると、足音を忍ばせてティファの背後に迫った。
ティファは大急ぎで部屋の片付けをしていて全く気付かない。
クラウドは勢い良く両腕をティファの体に巻きつかせると同時に叫んだ。

「つかまえたぞっ!!!」
「ひっ!!!」

予想外の出来事にティファは飛び上がった。

「ク、クラウド!?なに、今気絶してたんじゃ・・・!?」
「ジェノバ細胞はまだ健在なんだ。それよりティファ、はやくベットに行こう・・・」

クラウドが甘い声でティファに囁いた。
ティファは顔を真っ赤にした。

「な・・・ど、どうしたのよクラウド。なんか、今日変だよ!?それに今からみんなが来るって・・・」
「そんなの・・・家中鍵かけて締め出しとけばいいんだ。はぁはぁはぁ・・・」
「ク、クラウド、すごい息荒いけど・・・・きゃあっ!」

クラウドはティファをひょいと抱き上げて二階の寝室へ走った。

「クラウド!ダメだってばっ!!」

ティファはジタバタ暴れたが寝室に連れ込まれてしまった。
クラウドはティファをベットに降ろすと、そのとたん飛び掛った。

「ティ、ティファ―――――っ!!!」
バシ―――ンッ!

痛快な音が響くと共にクラウドはベットから転がり落ちた。
飛び掛られる寸前にティファが張り手を食らわしたのだ。

「もう!!クラウドのばか!!変態!!」

ティファが怒りで顔を真っ赤にして叫んだとき、左頬を真っ赤に晴れ上がらせたクラウドがゾンビのごとく立ち上がった。

「ティ、ティファ――――――――――っ!!!!!」
「きゃあ―――!!!」

クラウドが懲りずに再び飛び掛ったそのとき。

ピーンポ―――ン。

家のチャイムが鳴った。

「・・・・・・・・・・・・」

固まるクラウドとは逆に、ティファは心底ホッとした顔を見せた。

「・・・・・・・・・無視するぞ・・・・」

クラウドが低い声で言った。

「無理よ、ほらどいて!行かなきゃ」
「だめだ!!!行ったら怒るぞ!」

クラウドは必死だ。むしろ泣きそうだ。

「ばか言わないで。それにホラ、鍵掛けてないでしょ?わたしたちが出なくても絶対あがってくるわよ?」
「ぐ・・・」

ティファが足取り軽くドアに向かうと、クラウドがティファの腕を掴んだ。

「・・・クラウド」

母親が子供をなだめすかせるようにティファがクラウドを見た。

「俺が行く。それであいつらを追っ払えればいいだろ?」
「・・・・・・んー」

ティファは考えた。
クラウドがどう頑張ったって彼らをこのまま帰させることはできないだろうとティファは思った。

「わかった。いいわ。でも家に一歩でも上がらせたらちゃんと諦めてね?」
「わかった」

二人は玄関に向かった。大人数がいる気配が扉を通して伝わってくる。
クラウドは意を決して扉を開いた。

「あ、やっほ~元気してた?ってアンタ病人だって?」
「おう、久しぶりだな。あがらせてもらうぜ」

ユフィやらバレットやらシドやら相変わらずの面々がどかどかと押し寄せてきた。

「待て」

クラウドの、低いがよく通る声が彼らの動きを止めた。

「ああ?なんだよ」

シドが怪訝な顔を向けると、クラウドは言った。

「悪いが今日はティファと子供をつくる予定なんだ。はっきり言ってあんたらは邪魔だ。帰ってくれ」

時が止まったようにキョトンと固まる面々。
とたん頭に激痛が走り、クラウドはその場に倒れこんだ。
後ろではティファが折れ曲がった傘を手に、顔を真っ赤にしていた。

「な・・・な・・・なに言ってんのよクラウド!!!し、信じられないっ!!!」

ティファは恥ずかしさに耐えられず、家の奥へ逃げてしまった。
のびているクラウドを前に皆顔を合わせた。少々気まずそうに。

「・・・そういうことなら、お邪魔しちゃわるいですかね・・・?」

リーブがそっと言った。

「・・・・・・・・・」

黙り込む面々。

「・・・・・・にしてもさ、クラウドちょっと大胆すぎない?アタシ、さすがに恥ずかしいったら・・・」

ユフィが赤くなりながら同意を求めた。

「うん、オイラも恥ずかしいよ・・・」
「あっ!てことはアンタどういうことか知ってるわけ!?ヒュ~ガキのくせにぃ!」

ユフィがナナキを指差した。

「ち、違うよ!オ、オイラ!」
「おめぇだってガキだろがユフィ!帰るぞ」

シドが背を向けて歩き始めた。

「そうですねぇ、あぁ言われちゃもうあがりにくいですね」
「・・・・・・クラウドとティファはまだ結婚していないはずだが?」

ヴィンセントが心配そうに呟いた。

「できちゃった結婚でもするつもりなんじゃないの~?今の時代珍しくないじゃん」
「・・・・・・・・・しかし・・・そうなのか?」
「俺はよ、なんだか心配だぜ。ティファのことがよ」

バレットの言葉を最後に、旅の仲間達はクラウドとティファのスウィートハウスを後にした。

 

寝室にこもり枕を抱いていたティファだったが、勇気を出してバレットの携帯を呼び出した。

「あの、今日はごめんね。なんか、クラウド今日様子がおかしくて・・・・・・」
「おお、大丈夫か?たしかに、いくらなんでもさっきのはおかしいよな」
「うん・・・。だから今日はみんなにいてもらいたかっ・・・あっ!クラ・・・・・・・・・きゃあああ――――!!!」

電話口のティファの声が遠のき、なにやら取っ組み合いの音が聞こえた。

「お、おいっ!?ティファ!?ティファー!!?」

クラウドのものらしい荒い息使いがかすかに聞こえたかと思うと、突然携帯が切れた。
バレットは青くなって携帯を取り落とした。

「こりゃあいけねぇ!!」

バレットはシドとリーブ(あとのメンバーには刺激が強いだろうことが予想されるので)を連れてクラウド宅に駆け出した。

その後、オヤジ三人に取り押さえられティファから鉄拳制裁を喰らったクラウドは、めでたく薬が切れた翌日に目を覚ましましたとさ。
チャンチャン。

 

 

 

 

 

FIN

 

 

 

チャンチャン(苦笑)
何も言うことはないです。

え?デンゼルとマリン??
友達の家に泊まりにいってるんです。←超後付け

7年くらい前のものだけど、ギリギリAC仕様に直せた・・・か・・・な???
当時この小説読んで覚えてくれてる人がいたら、なんとなく嬉しいな。
低レベルな話だけど、低レベルなわたしは書いていて楽しかった記憶があります。あはは(乾いた笑い)

 

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